【郡上八幡】伝統を今に伝える神楽と舞 春まつりが開催されました!

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こんにちは!岐阜県郡上市でブロガーをしている、のぶです。

今回の記事では、2024年04月20日(土)と21日(日)の2日間にわたって郡上八幡で開催された「春まつり」を紹介させていただきます。

笛や太鼓といったまつり囃子が、町中から聞こえてくる郡上八幡にとって特別な2日間。

春の訪れを感じさせる「春まつり」の魅力をご紹介いたします!

「春まつり」とは?

今回開催された「春まつり」とは、毎年郡上八幡町内で開催されているお祭りです。

郡上八幡町内にある「岸劔(きしつるぎ)神社」「八幡(はちまん)神社」「日吉(ひよし)神社」という、大神楽を持つ3つの神社が中心になって開催されています。

大神楽というのは郡上独自の神事芸能で、笛や太鼓の音にあわせて、獅子やひょっとこ、おかめ、そして子供たちがそれぞれ舞いを披露します。

そしてそれらの一団が各町内を練り歩きながら、厄除けや五穀豊穣を神々に願うというものです。起源としては江戸時代ごろから始まったとされています。

(参考文献:「歴史探訪 郡上八幡」郡上郡八幡町教育委員会 1998年)

「春まつり」のポスター。お祭りが近づくと家々の軒先で見かけるようになります。
金色の神楽を中心に、舞の集団が町中を練り歩く。これが大神楽。

それぞれの神社によって、基本的な大神楽の構成はほぼ同じですが、微妙な違いがありここでは代表的な違いだけちらっとご紹介します。

「岸劔神社」は獅子が雌となっています。そのため獅子は顔を低くしながら舞うことが多いそうです。

一方で「日吉神社」の獅子は雄です。雄々しい獅子を表現するために、獅子の顔が上下左右に大きく動くのが特徴です。

また「八幡神社」は、大神楽に加えて「奴踊り」という独自の踊りを持つのが特徴です。こちらはあとで写真にてご紹介いたします。

※なお、今回は主に「日吉神社」の大神楽を中心に見物してきました。

当日の様子 1日目:朝

春まつり1日目。日吉神社では、早朝7時頃から大神楽がスタートします。

最初は日吉神社境内にて、打始めの儀が行われます。

日吉神社にて打始めの儀。いよいよ大神楽のスタートです。

神社での神事が終わると、いよいよ町に神楽一行が繰り出していきます。各町に止まっては15分ほど舞を披露し、次の町へ移動していきます。

日吉神社は雄の獅子舞。頭を大きく動かし、雄々しさを表現する。
各町に止まっては、舞を披露していきます。

朝7時台から、家々の軒先で笛や太鼓の音が鳴り響きますので、移住1年目の私は面食らいましたが、町の人にとってはこれが普通の様子でした(笑)

ちなみに後で、踊り手のお子さんを持つ親御さんに聞いた話ですが、何と当日は朝4時過ぎに起きて、衣装の準備などをしていたそうです。お祭りにかける熱量がすごすぎる・・。

当日の様子 1日目:昼

神社を出発した神楽一行は、1日かけて各町を順々に練り歩いていきます。

そしてその頃、他の神社でも同様に大神楽が始まります。

こちらは「岸劔神社」の神楽一行。まるで大名行列のようです。
岸劔神社の獅子は雌とのことで、頭を低くすることが多い。

各神社とも、神楽のおおよその基本構成は同じです。

金の神楽を中心に、獅子舞、笛、太鼓、ひょっとこ、おかめ、そして子供たち。

特に衣装をまとった子供たちの姿がとてもかわいいです。

神楽一行に出くわした観光客の方も、何事かとばかりにたくさんの写真を撮っていました。

巫女の衣装の子供たちもよく見かけます。

当日の様子 1日目:夜

お祭りは夜まで続きます。

お祭りというだけあって、数はかなり少ないものの屋台も出ていました。

そしてあたりが暗くなりはじめた頃、町の中心部はえらい混雑に・・。

5~6店舗ですが、屋台もありました。
町のメイン通り「新町通り」の交差点付近。何やら変わった神楽が・・。

先述の通り、春まつりは3つの神社による大神楽が目玉ですが、それに加えて地域の自治会や子ども会が作ったと思われる独自の神楽?も闊歩しています。

中にはこんなものまで。これはもはや神楽なのか・・?(笑)
交差点では、各神社の神楽と自作の神楽が行き交い、なかなかにカオスな状況。

ビカビカに電飾された神楽と、昔ながらの伝統ある神楽が行き交う交差点は、もはや何でもありな様相に・・(笑) でも皆さん、真剣にお祭りを楽しんでいる姿が印象的でした。

当日の様子 2日目:朝~昼

お祭り2日目。

昨日は1日中盛り上がっていたにも関わらず、この日も朝7時からスタートです。 さすがに子役は変わるようですが、それにしても体力がすごい。

2日目も朝7時からスタート。神社での神事を終えたら、早速町へ繰り出していきます。

この日は「八幡神社」の大神楽も見物に。

八幡神社は、大神楽に加えて独自の「奴踊り」という踊りも披露していました。大人の男性7~8名が、歌詞付きの曲にあわせて踊ります。

八幡神社の大神楽。大神楽自体は、他の神社と似ています。
八幡神社独自の「奴踊り」 大人の男性たちによる踊りです。

そして2日目の14時ごろ。郡上八幡旧庁舎記念館前には大勢の人だかりが。

というのも、ここ旧庁舎記念館前の広場に、これから3つの神社の神楽が代わる代わるやってくるのです。

まずは、八幡神社の一行。
そしてその横には「岸劔神社」の神楽一行がすでにスタンバイ。
八幡神社が終わると、次は岸劔神社が入ってきました。
そして最後に日吉神社が入ってきます。

お祭りの盛り上がりはここが1つのピークでした。それにしても普段の郡上では考えられないほどの、まさに黒山の人だかり。

なお残念ながら、2日目はこの後15時頃から雨が降ってきてしまい、神楽が町中を練り歩くのはここで中止になってしまいました。

本来であれば2日目も、20時頃までは神楽は町を練り歩く予定だったようです。

観光時の注意点①「基本的にメイン会場は無く、町全体がお祭り会場」

そんな「春まつり」ですが、主に観光目的で見に来る方へ向けて、いくつか注意点をまとめました。

1つ目の注意点が、神楽一行は町中を順々に移動していくという点。そのためメイン会場という概念があまりありません。

通常お祭りというと、メインとなる会場や大きなステージなどがある場合が多いかと思いますが、この春まつりは3つの神社の神楽が1日かけて町中を練り歩きますので、まさに町全体がお祭り会場といっても過言ではないです。

こんな交差点でも舞を披露。まさに町全体がお祭り会場です。

強いて言えば「新町通りから郡上八幡旧庁舎記念館前」のあたりが、最も頻繁に神楽が通過する通りの1つかなと思います。

ちなみに今回2日目の午後に、3社の神楽が代わる代わる集まり大変な盛り上がりを見せたのも「郡上八幡旧庁舎記念館」前の広場でした。

観光時の注意点②「タイムスケジュールが分かりにくい」

2つ目の注意点が、タイムスケジュールが分かりにくいという点です。

つまり、いつどこでどんな神楽や演奏が見られるのか?というタイムスケジュールが、特に観光客の方に向けては発表されていないようでした。

※あくまで私が調べた限りですが、自治体のホームページや観光案内にも細かいタイムスケジュールは載っておらず・・。お祭り当日も、パンフレットの配布や案内掲示は特にされていないようでした。

注意点①でも触れましたが、このお祭りは神楽一行が町中を練り歩くので、いつどこに行けば神楽を見られるのか?が、初めての方にはちょっと分かりにくいと思います。

町自体がかなり小さい町ですので、神楽にすれ違い続けて結局一度も出会えなかった、なんてことにはならないとは思いますが、念には念をということで注意点とさせていただきます。

時には2つ以上の神楽が同じ場所に現れることも。写真では、金色の神楽が2つあるのが分かるかと思います。

基本的には朝7時過ぎから夜19時頃まで、町中を順々に神楽が練り歩いていますので、ぶらぶら町歩きをしていれば、笛や太鼓の音で神楽には気が付くと思います。

笛や太鼓の音がする方向に行けば、その先に神楽はいます。

※その年によってタイムスケジュールが変わることも考えられますので、確実に知りたい際は、当日地域の方などに尋ねてみても良いと思います。

観光時の注意点③「曲のリズムや舞は、比較的繰り返しが多い」

最後に曲と舞について。そもそもが神々に奉納する舞になりますので、曲調は比較的ゆっくりとしたもので、かつ繰り返しのパートが多いのが特徴です。

抑揚の激しい曲や、キレッキレのダンス、はたまた転調を繰り返しながら最後には盛大なクライマックスが!みたいな展開にはなりませんので、誤解のないようにお願いします(笑)

何日もかけて練習を重ねてきた大人・子供たちの晴れ舞台でもありますので、ぜひ郡上に代々受け継がれてきた文化を楽しんでくださいね。

まとめ

今回は郡上八幡で開催された「春まつり」をご紹介させていただきました。

古くからの伝統が今なお受け継がれている、とてもすてきなお祭りです。

郡上八幡では夏の郡上おどりが有名ですが、春まつりもまた違った良さがあります。

郡上の春の訪れを感じさせる春まつり。ぜひ一度、ご覧いただけたら嬉しいです!

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